皆さん、こんにちは!
川崎自立学習塾講師の宮田です。
皆さんは、今では金が最も価値があると言われていますが、昔は非常に高価で貴重とされていた金属が、現在では価値が低くなっていることをご存知ですか?
今日は、そのような金属の例として、アルミニウムとニッケルについてご紹介します。
アルミニウムの歴史
19世紀の初め頃、アルミニウムは取り出すのが非常に難しく、高価な金属でした。
そのため、とても珍しくて大切にされていました。
例えば、ナポレオン3世の宮殿では、特別なゲストにアルミニウム製の食器が使われるほどでした。
ホール・エルー法の発明
アルミニウムの価値を大きく変えたのが、1886年にアメリカのチャールズ・マーティン・ホールとフランスのポール・エルーによって開発された「ホール・エルー法」です。
この技術では、まずボーキサイトという鉱石からアルミナ(酸化アルミニウム)を取り出し、それを電気分解することで純粋なアルミニウムを得ます。
この方法により、アルミニウムの大量生産が可能になりました。
アルミニウムの大量生産と利用
ホール・エルー法の発明により、アルミニウムの価格は急落し、現在では非常に一般的で安価な金属となりました。
アルミニウムは軽くてさびにくいので、飲み物の缶、キッチンのアルミホイル、窓のサッシ、自転車のフレームなどに使われています。
また、飛行機や車の部品にも広く利用されています。
ニッケルの歴史
ニッケルは18世紀に発見されましたが、当時は取り出すのが難しく高価な金属でした。
主に硬貨(コイン)に使われていましたが、他の使い道はあまりありませんでした。
ニッケルの特性として、さびにくくて硬いという特徴があります。
ニッケルの現在の利用
現在ではニッケルはたくさんの用途で使われています。
特にステンレス鋼(さびにくい鉄)を作るために欠かせない金属です。
ステンレス鋼はキッチンのシンクやナイフ、フォーク、自転車の部品など、さびにくい性質が求められる製品に広く使われています。
また、ニッケルは電池(特にニッケル水素電池)やメッキ(鉄などの金属の表面に薄くコーティングすること)にも使われています。
供給量が安定しているため、ニッケルの価格は昔に比べて低くなり、今では非常に一般的な金属となっています。
高価な歴史を持つ身近な金属たち
アルミニウムとニッケルは、新しい技術や大量生産ができるようになったことで、その価値が大きく変わりました。
昔はとても高価で大切にされていた金属が、今では普通に使われるようになり、私たちの生活や産業にとって重要な役割を果たしています。
これにより、私たちは身の回りの多くの製品で、これらの金属を手軽に利用できるようになりました。
小学生から高校生の皆さん、科学の勉強をしているとき、身の回りの製品にどのような金属が使われているか、少し注目してみてはいかがでしょうか?
高校受験や模試、自習を通じて、こうした知識を深めると、日常の中に隠れた歴史や技術の進歩を感じ取ることができるかもしれません。
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